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    僕達の暮らす地域のこと


    mezasutokoro-page1  僕達が暮らす大豊町東部(徳島との県境)は、高知県の嶺北地方の中でも平地が極端に少ない山間です。この土地に暮らし、だからこそ見えてくることがあります。今現在の地域の話をする前に、少し昔にさかのぼって、時代の移ろいを追ってみたいと思います。

     大昔、ほとんどの住民は自給自足の生活でした。農閑期である冬は炭の仕事がほとんどで、棚田は隅々まで人の手が入り、とても美しかったそうです。産業が発展するにつれ、まず、養蚕が栄えるようになったそうです。もともと山間での米作りは大変であり、より儲けが出やすい、山間で有効な産業が養蚕だったのでしょう。いまでも、かつての蚕小屋や、家の中で蚕を飼っていた形跡のある家もあります。
    そして養蚕も衰退しはじめる頃、次に大きな産業となったのが、土木事業でした。高度経済成長を機に、公共事業が目白押しで、山間の若者たちも労働力として土地を離れたそうです。僕は言葉を知るのみですが、集団就職で多くの若者たちが都会に流れはじめたそうです。

    畑や田んぼの担い手が減り、人の手が回らない棚田には、杉・ヒノキが植林されていきました。その当時、国産材が主流なため建築現場で多くの材が使われており、その分、材の値がよかったそうです。今となっては、価値の下がってしまった木材でありますが、当時は方々は、自分達の子・孫・ひ孫まで残る財産という感覚で植林されていたはずです。そう思うと、今の木材の価格低迷は本当に残念な結果です。

    mezasutokoro-page2 だんだんと過疎高齢化の進む中、手間のかかる棚田の管理の難しさから、柚子の栽培が勧められたそうです。接ぎ木で、早くに収穫できる技術も確立され、徐々に普及していったそうです。今現在でみると、本当に多くの方々が柚子を出荷しています。カフェの近く、廃校となった大田口中学校の跡地に柚子の加工場が新設され、柚子の季節になると、カフェまで柚子の香りが漂ってきます。

    これは、僕達の暮らす場所に限った、一般的な時代の流れです。そんな時を経て今現在、僕達が暮らす大豊町の東部は、まさに深刻な過疎高齢化状態に突入しています。仕事がないので若者は離れ、子供の数は減り続け、2014年4月からは町内にあった3校の小学校が統廃合され、1校になってしまいます。様々な不安要素が見え隠れする山間で暮らし、そして失われていくであろう物事に目を向けながら、自分達がここでできることを模索する毎日です。

    暮らしを楽しみ、生きていくこと


    mezasutokoro-page3  僕達の目指すところは、一言にまとめるとすれば「暮らしを楽しみ、生きていくこと」であります。その手段は、まさに価値観の分かれるところであると思います。好きなものや好きなことは、人によって千差万別。物事の感じ方や、捉え方、考える方向性は人によって違って当然だし、だから人はおもしろいと思っています。

     生きていくことは、食べることが一番重要です。食べるためには作ることが必要です。もしくは、誰かが作ったものを買うお金が必要ですね。幸せなことに、山間で暮らし、カフェをはじめて、お金を稼ぐのも、作物を作るのも、とても大変なことなんだ・・・というのがよく分かりました。そして、とてもやりがいのある仕事でもあると分かりました。

     過疎高齢化で衰退していく町で暮らし、カフェをしながら楽しい人生なんて送れるの?・・・と人によっては思われるかもしれませんね。さて、どうでしょう??興味を持たれた方は、是非カフェにお越しください。そして、宿にも泊っていただきたいと思います。あなた自身の感性で、僕達の在り方を感じ取っていただければ幸いです。なにか新しい発見があれば、より一層嬉しいですね。

    mezasutokoro-page4  「暮らしを楽しみ、生きていくこと」・・・それは、僕達だけでは成し得ないことでもあります。僕達の暮らす地域、そこに暮らす人々、I・Uターンしてきた人々、何もかもがうまく混ざり合って融合できれば最高だなと思います。

    2008年7月から、いままでカフェをやってきて、おかげさまで多くの方に僕達の存在を知っていただけることができました。今後は、僕達と同じ”I・Uターン仲間”と、”地元の方々”との交流を促進できるような場所として、カフェが一役を担えればいいなぁと考えています。そして、移住希望の方々に対しても、たくさんの情報を見聞きできる場所として活躍したいと思っています。

    想いを実現するために、何かはじめなくてはいけません。それが楽しみでもあり、生きていくことにも繋がりそうです。こうやって前向きに進んでいけるのも、地域があってこそです。

     

     

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